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酒蔵を造ろう

 地下水汚染による廃業前提の休蔵を経て奇跡の復活を遂げた酒蔵。しかし会社はある、蔵もある、客が(あまり)ない。それでも酒は醸されてゆく。さあまとめて酒蔵を造ろう

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どんな米を使おうか

 前回のままで終わってしまっても尻切れトンボになってしまうので、今回のタイトルになった。おいらが造りを受け持ってから出す酒は(以前からあるものは別だけど)米の名前がない…ものが多い。それは米の名前で酒を選ぶ人も沢山いるだろうけど、その逆も多いと思っているのであえて品種は伏せてある(と言うよりも酒税法上書かなければいけない最低限度だけしか書かない!)。
 データで選ぶ人はそういうのが明記してあるお酒を選んでもらえばいいことだと思う(うちにも米の名前くらいは明記してあるのもあるが)。ただうちの酒は
「これどんな米使っているんだろ?」
とか
「酵母は何かな?」
とか
「結構酸度あるよな!」
などなど答えのないことをいつまでも思い巡らして欲しいと思う。酒造りとダブってしまうが、答えなんかなかなか出てこないほうが楽しい(というのはおいらの独断と偏見かもしれないけどね)


 あとは先入観の排除とか…


 そうそう「亀の尾」ってあれ酒米じゃないから!知ってた?もともと飯米で(食べてもうまかったそうだが、嗜好が今と違うから今食べても果たして旨いと思うかどうかは知りません)「愛国」「神力」とならんで3大品種と言われていたもののひとつです。勿論食べる米でです。その上で酒造りにも向いていたと言うことで。だけど酒米で言えば五百万石とか高嶺錦、飯米で言えばコシヒカリにもその血筋は脈脈と受け継がれている。
 因みに今でこそ醸造試験場はいい酒造るための試験場になった感があるけれどもホントは安全醸造研究所(腐造を出さないための)だし、米も昔は何がいい米だったかといえばちゃんと実ってくれること。そこが出来て初めてもっと旨いもの作るにはどうしようかって話になってくる。質を求めるのは量の確保が出来てから。

ただし勘違いはいけない


 昔の農業のやり方で安全に米を実らせるのと、今の農業のやり方の中でうまい米を作るのでは、同一直線上で質と量を結びつけることは出来ないのであしからず。


 例えばよくある誤解


 「酒造好適米と飯米は何が違うの?」
と言う問いかけに対して1つのことを強調しすぎて
 「アミノ酸(あまり多いと雑味になるが少なければいいというものでもない、それこそ蔵元の考え方ひとつ)の成分になる粗タンパクの含有量が少ない」
といってしまうことがあるが、半分正解で半分間違い。
 何故か??
稲の作りかた一つでずいぶん変わってしまう。
トータルで酒が造り易いことが好適米
 そしてもうひとつの更なる誤解
「食べるとおいしいお米は粗タンパクが多いから旨み成分が多くなる」
 一寸ヤバイ
 コシヒカリがおいしいのは程よく粗タンパクが少ないから。因みに最近の品種は農家の作業の都合で出来るだけ早く収穫できたほうが良いということから収穫時期がどんどん早まっている(しかし農協でもこれがまずいと悟ったところは、極端な早植えを止めるように指導している)。実はこれが問題で、早生(わせ)品種になればなるほど粗タンパク含有量が多くなる傾向にある。逆に早生品種でもおそ植え(勿論収穫時期も遅くなる)をすることで粗タンパク含有量が少なくなり食味(数値ではなく食べた実感)がアップすることも有る。
 山田錦の粗タンパクの含有量が低いのは勿論持って生まれた性質に頼るところも大だが、収穫時期が遅く…ということは粒が実るときにあまり高温にならないと言う事と、背が高いのであまり肥料をやれない。それが現在の早生品種では(酒米・飯米問わず)背が低いので沢山肥料をやっても倒れない、粒が実る時期は暑い真っ盛り、これではいやでも粗タンパクの含有量は多くなってしまう。
 比較的北の産地に住んでいる方が南のコシヒカリはなんか食べた感じが違うと思えるのは気候とそれに伴う農業のやり方によるところが大きいと思っている。


だから南の米なんか食えたモンじゃねえ!!


と言っているのではない。誤解せんで欲しい。


 「コシヒカリが売れるから、今じゃ日本全国大体作れるからコシヒカリ作ろうぜ」
という指導をしてしまうことが安易すぎる…と言いたい。
手間がかかることだが是非その土地その気候に合わせたその土地ならではの品種改良をやって欲しい
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で、実はそんなことが始まっている!
やたらと多収を追わず、早生に偏らず、食味重視
あきさやか(九州)みえのえみ(三重)ゆめあかり(青森)晴るる(山口)森のくまさん(熊本)などなどどのくらい今後残っていくかは分からないがせっかく税金で品種改良するのだから目先ではなく、どんどん先を見た品種改良をやってしまえばよい。
 かなり話が脱線した
 何が言いたいか?
 地元の米でまずは酒を造ってみよう。難しいかも知れないけれどそこに挑戦する価値はあるはず。米の品種にこだわる前に産地にこだわってみよう。きっと楽しいはずだ。

…つづく…
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コメント

はじめまして

履歴より遊びに来ました。
ワタシも酒造りを生業としてる者です。
大変に興味深いブログですね。

ワタシの勤めてる蔵も5年ほど前から「地元産の酒米で地酒を」ということをやっておりますが、けっこう大変・・・。
色々な苦労がありますよね。
でも、その酒米がお酒になったときの農家の方々の笑顔はとても気持ちがいいもんです。

また覗きに来ますね。
ワタシのブログはほとんど酒造りネタはないですけど、また来てくださいね。

  • 2006/06/17(土) 08:42:15 |
  • URL |
  • と~ちゃん #U.Y9J0PE
  • [編集]

どうもです

 こちらこそはじめまして。見える人の米で酒を造るのも意外と大変ですが、楽しくおおらかにやっていきたいもんですよね。

  • 2006/06/18(日) 11:00:52 |
  • URL |
  • 杜氏です #-
  • [編集]

こちらでもよろしく

 「亀の尾」を扱った夏子の酒は連載開始からあたたかく見守ってました。(^-^ 飯米でも、そしてヤコマンを公言しても評判をとれる酒が造れるんだと感心しました。
 連載を見て、真っ先に驚いたのはその地区を担当していた鑑定官の先生で「お~いヤコマン機が載ってるぞ~~」と何人かに電話してその日の中に全国津々浦々まで広まったのも懐かしい話になりましたね。

  • 2006/06/26(月) 16:41:45 |
  • URL |
  • 初心者アシ #-
  • [編集]

コメントどうもです

 個性個性と言われても皆が求めるのはマニュアルばかり…寂しい現実です、がこれをぶち破るようなモノ造りもまた楽しいモンです

  • 2006/06/26(月) 23:15:03 |
  • URL |
  • 杜氏です #-
  • [編集]

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